この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
最後のメンバー希が到着した頃には日付が変わっていた。

先に来たメンバーから飲み食いしていたのだが、改めて乾杯する。

「蒼の引っ越しを祝って」と晴の声に、

「「「「カンパ~イ」」」」

「しかし、スゲェマンションだな」

「ああ」

「部屋まで案内されるだけで緊張した」

「大物芸能人が住んでそう」とみんな口々に話し出す。今や自分達も人気芸能人なのだが、5人には余りその感覚がない。

「みんなが酔う前に大事な話があるんだ」といつになく真剣な声色で切り出す蒼。

「「「「…」」」」蒼の真剣な雰囲気に4人は黙って蒼に注目した。

「この前、社長と話をしたんだ」

「「「「??」」」」4人共同じ何の事かわからないと言う顔をしている。

「俺達は、アイドルとして芸能活動をしていて、有難い事に沢山の仕事の依頼をもらっていて、その中から選ばせてもらって仕事を受けている恵まれた状況だと思う」

「「「「ああ」」」」

「だけどその分、好きな仕事だけを選ぶ事は出来ないし、本当はやりたい仕事もスケジュールの関係で受けれないこともある。そして何よりプライベートが全くないに等しい」

みんな蒼の言葉に大きく頷く。ずっと見られている事を意識して生活しているのだ。




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