この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
「アイドルである以上覚悟の上だったんだ。けど、この前の事故で葵に一目惚れして、そして命に直面してみて、色々考えさせられたんだ」

「「「「…」」」」急に、葵の事が出てきて返事に困る。

「俺達は、ひとりの男として、好きな人が出来ても何も出来ない。アイドルとして、キャアキャア言ってもらえる間我慢して、男としての幸せを諦めるのか…歳を取ってからも芸能界で仕事できるのか?目先の仕事の事ばかりじゃなく、もっと先を見つめたいと思ったんだ」

蒼の言うことは最もだ。人気商売の芸能界。いつまでも光り輝く存在でいることは並大抵の事ではない。

次から次へと新人がデビューするのだ。

「俺は、今の芸能界の考えを覆せるだけの仕事をしたい。好きな人との結婚も、芸能界で仕事をし続ける事も諦めたくないんだ。この思いを社長に話した」

「で?」すかさずリーダーの晴が話の先を促す。

「葵の事は、もちろん今は認めてもらえないが、一度だけ会わしてもらえる事になった」

「で、会ってどうするの?」

「想いを伝えて、俺としては待っててほしいと伝えるつもりだ。後は葵次第だけど、今の時点では葵に関してはこれしか出来ない」






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