この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
「今日も、無理を言ってすみませんでした」

「……」それに関しては、葵は言葉が出ない。

「強引でしたよね…」と原田は恐縮している。

「そうですね…」

「本当に申し訳ない。ここで立ち話もなんですから、応接室に案内します」

「あっ、はい…」これで終わりで良かったと思う葵だったのだ。

応接室に案内され、扉を背に座った葵。シンプルな内装だが、ソファは座り心地がよく高級だと分かる。

「結城さんは、コーヒーか紅茶どちらがいいですか?」

「じゃあ、コーヒーで」

葵の言葉を聞き、内線でコーヒーを2つ頼む原田。少しすると、ノックの音の後コーヒーを運んで来たであろう人の気配がした。

ソファに向かい合っていた葵と原田の横に人が立った。ふと、葵は視線を感じ目の前のテーブルから、コーヒーを持ってきてくれた人物に目を向け、ポカンとする。








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