この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
「先ずは、遅くなりましたが事故の際は助けていただいてありがとうございました。お礼が遅くなり申し訳ない」

「原田さんからもお礼の連絡をいただいていましたし、当たり前の事をしただけなので」葵は目線をコーヒーに向けたまま話をする。

ストーカー被害の後から、特に若い男性が苦手なのだ。原田は、40代位で葵にとってはまだマシな年代だ。

蒼は、葵の様子にどうしたら、想いが伝わるのか考える。怖がらしては元も子もない。だが、遠回しに伝えている時間もない。こうなったら、誠実に想いをぶつけるしかない。

「今日、こうして来てもらったのは、もちろん直接お礼を言いたかったのもあるんだけど、本題は葵に伝えたい想いがあるんだ」

突然呼び捨てにされた驚きで思わず蒼を見る葵。真剣な眼差しの蒼と目が合う。そして、事故の日に感じた何かと同じ様に、蒼の目に吸い込まれる。





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