天使になりたかった悪魔
「ねぇ、あの…その…、もっと歌を聞かせてくれないかな?」
すると天使は、さっきまでの安らかな笑顔とは一変して、青い顔をして悲鳴をあげた。
「きゃぁ----!!」
僕は焦った。
驚かせるつもりはなかったのに…。
その時、タイミング悪く、太陽の光が山々の間から差し込んできた。
僕の黒い羽が陽の光に射ぬかれて、煙りをだした。
僕は、驚かせてしまった天使に「ごめんね。」も言えず、自分の身を守るために、その場から逃げるように影を求めて、飛び去った。