天使になりたかった悪魔
その悪魔は驚いた顔をして、ただ、ただ、僕の目を見た。
しばらくすると、悪魔は目線を少しずらして、こう言った。
「天使が悪魔になるなんて、とうてい無理だ。
悪魔が天使になれないのと同じでな…。」
しかし、僕は諦めなかった。
せっかく悪魔に出会えたんだ。
このチャンスを無駄にしたくない。
それに、僕はどうしても悪魔になりたいんだ。
悪魔に出会えたことと、夢への強い願望とが合わさって、僕の欲望は、悪魔を凌ぐ程に膨れ上がった。