お前は俺のものだ〜俺様御曹司の強引な熱情
私はその日真莉ちゃんのマンションに泊めて貰った。

「ごめんね、真莉ちゃん」

「私は大丈夫ですけど、先輩、大丈夫ですか」

「よくわからない、どうして追いかけて来てくれなかったんだろう」

「ほんとですよね、そこで腕を掴まれて、婚約者は断る、だから俺を信じろって、展開ですよね」

「真莉ちゃん、ドラマ見過ぎ」

「そうですか、そこでキスですよね」

「と、いう事は私振られた?」

「先輩、目黒くんが好きなんて言うからですよ」

私は自己嫌悪に陥った。

そして次の日会社に行くと、追い討ちをかけるような出来事が待ち受けていた。

私は社長の秘書の加藤さんに呼ばれた。

「立花さん、社長はアメリカに出張に出かけました、これを渡してくれと頼まれたので・・・」

そう言って渡されたのがアパートの鍵。

「引越しは全て完了しています」

私の手に渡されたアパートの鍵を見つめ、途方にくれた。

「どう言う事でしょうか」

「私は立花さんに渡してくれと頼まれただけなので、詳しい事はわかりません」

「そうですか」

「あ、それからこれアパートの地図です」

私の元に残ったのはアパートの地図と鍵だけ。
自業自得とはこの事だ。

私は社長に婚約者がいると聞かされ、勝手に身を引く決意をして、しかも目黒くんが好きなんて言っちゃって、社長のマンション飛び出して、それなのに、今の状況に困惑している。

自分が撒いた種なのに・・・

そう、社長とは終わったのだ。

< 18 / 37 >

この作品をシェア

pagetop