お前は俺のものだ〜俺様御曹司の強引な熱情
私はアパートへ向かった。
アパートじゃない、えっ、社長と同じマンション?どう言う事?

コンシェルジュの山本さんが出迎えてくれた。

「お帰りなさいませ、つばさ様」

「あの、私、社長の部屋を追い出されて、もう引越しは完了していると、地図と鍵を渡されたんですけど、地図のアパートがここなんですけど、社長から何か聞いていますか」

「はい、つばさ様のお部屋は飛鷹社長とは別ですが、このマンションで間違いありません」

「あの、私は社長と別れたので、このマンションに住むには家賃払えません」

「こちらのマンションは賃貸ではございませんので、つばさ様のお部屋は飛鷹社長の所有です」

えっ、どう言う事?
別れたわけじゃないの?
でも、じゃあ、どうして別の部屋?
私の脳はパニック寸前だった。

「あの、この鍵じゃ入れないですよね」

「これはカモフラージュ用です、つばさ様のお部屋のカードキーはこちらです」

そう言ってコンシェルジュの山本さんはカードキーを渡してくれた。

部屋に入ると、引越しは全て完了しており、テーブルの上にはメモが置いてあった。

『つばさ、ごめん、婚約者のことはすっかり俺の頭から抜けていた、確かに婚約者はいる、しかし、俺は婚約を破棄してつばさと結婚したい気持ちに嘘偽りは無い、そのために色々と事を成し遂げなければならなくなった、しばらく、会えないし、連絡も取れない、待っていてくれ』

私達別れたんじゃないんだ、安心して涙が溢れて来た。
しかし、この安心が不安へと変わって行くことなど、この時は予想出来なかった。







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