お前は俺のものだ〜俺様御曹司の強引な熱情
私は社長と同じマンションから仕事に出かけた。
しかし、社長は未だにアメリカから戻らない。
社長と別れていないと言っても、電話もメールも無い、どこで何をしているかもわからない、これじゃあお一人様となんの変わりもない。

総務部に行くと騒ついていた。
社長がアメリカから帰ってくるとの事。
帰ってくるんだ、顔が綻んだのも束の間、連絡もなくてこれじゃあ会えないよ。
また、落ち込んだ。

お昼近くになり、私はお弁当を食べるために、休憩室へ向かった。
その時廊下の向こうから一人の男性の姿が目に入った。

社長だ、私は思わず駆け出し、近寄った。

「社長、お帰りなさい」

「た、ただいま、これから休憩か」

「はい」

「ご苦労様」

それだけ?しかも、社長はすぐに目を逸らした。
やっぱり私達はもう関係ないの?
涙が溢れて来た。

その時私の手の中のお弁当が社長の手に移った。

「ありがとう、これ代金、毎日届けてくれ」

「は、はい」

社長は私のお弁当を持って社長室へ消えた。
どう言う事?えっ?毎日届ける?毎日会えるって事?

次の日、私はお弁当を二人分作った。
お昼休みになった、急いで休憩室へ向かった。
社長がやってきた。

「あのう、お弁当作ってきました」

「サンキュー、これ代金、じゃ」

「あのう」

社長といっぱい話がしたいのに、お弁当渡して終わりなんて・・・
でも社長はお弁当を受け取ると社長室へ消えた。
私の手にはお弁当代だけが残った。

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