お前は俺のものだ〜俺様御曹司の強引な熱情
私はお弁当を作る事に喜びを感じていた。
毎日休憩室で社長と会えると思うと胸が弾んだ。
それから毎日お弁当を届けた。

「あのう、社長、これお弁当です」

「ありがとう、いつも旨いよ」

「忙しいみたいですけど、体調は大丈夫ですか」

「ああ、もう行く、じゃ」

社長は名前を呼ぶ事も、抱きしめてくれる事もなかった。
やっぱり唯の社長と社員になっちゃったんだ。

総務部へ戻ると、目黒くんが声をかけて来た。

「つばさ、デートの件考えてくれた?」

「あ、うん」

私は目黒くんの話を上の空で聞いていた。

「今度の日曜日デートしようね」

「うん、そうだね」

適当な相槌を打った私は目黒くんとデートする事になってしまった。

日曜日目黒くんとデートに出かけた。
でも私は社長のことで頭がいっぱいだった。

「つばさ、聞いてる?」

「えっ?なんだっけ」

「心ここにあらずみたいだな」

「ごめん」

「おい、素直に認めるなよ、すごく凹む」

目黒くんは落ち込んだ表情を見せた。
えっ?目黒くんのこんな表情を見るのは初めてと思った。
それになんで社長を好きって言った私をデートに誘ったの?

「ごめんね、ちゃんと話を聞くから」

「ほんと?」

目黒くんは満面の笑顔を見せた。
不思議な人だな、めっちゃモテるだろうに、なんで私なんだろう。
それに、あれ以来目黒くんは私に触れない。
女性として見られてないってことかな。
それならなんでデートに誘ってるの?
全く理解出来ないと思った。


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