お前は俺のものだ〜俺様御曹司の強引な熱情
俺は動揺を隠すのに必死だった。
まさか、目黒とつばさが一緒に現れるとは・・・
しかも付き合うことを報告だと、冗談じゃねえ。

あいつが居なければ、俺はつばさの手を引き寄せ
俺の部屋に連れて行き、キスしてた、くそっ。
あいつとは、エントランスのソファに腰を下ろして俺の動向を探っていた男だ。

その男はコーワコーポレーションの顧問弁護士だった。
俺は秘書の加藤にコーワコーポレーションの関係者を調べさせていた。
多分向こうは顔を知られていないからわからないと、鷹を括っていたのだろう。

とにかくつばさは俺が守らなければいけない。
つばさ、俺の気持ちをわかってくれ。

コーワコーポレーションの娘ゆりが、俺に会いにやって来たのは、俺が合併の新たな取引先を探すとの約束を申し入れてから程なくの事であった。

「剱さん、私はコーワコーポレーションのゆりと申します、あなたの妻になる女です」

「その事なんだが、無かった事にして貰いたい」

「お好きな女性でもいらっしゃるんですか」

笑顔の中のゆりの目は笑っていなかった。
心底恐怖を感じたのは、大袈裟なことではなかった。
いずれつばさの身に危険が及ぶなど、誰が予想出来ただろうか。





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