腹黒王子に逆らうな!
「み、見るつもりなかったんです本当に〜! そもそも、人がいないからって気を抜いてあんなこと言うのがいけないでしょ!」

考えてみたら弱みはこっちが握ってるわけだし、オドオドする必要無いよね!

そう思うと強気で梅永君に向き合えた。

──が。


「……お前、俺と同じ学校の制服だろ? 校則違反してモデルのバイトかよ」

「えっ……あっ!」


そういえば学校帰りだから制服のままだった!



うちの学校は校則が結構厳しくて、基本バイトは全面的に禁止。

経済的理由でやむなく、もしくは梅永君みたいに、事務所のお偉いさんが直接出向いて特別に許可を取ってやっと例外が認められる。

もし破った場合は停学か──最悪退学処分になってしまう。

私が作家活動を秘密にしている理由の一つだ。
< 12 / 33 >

この作品をシェア

pagetop