腹黒王子に逆らうな!
「……別にお前のことなんかどうでもいいから言わねぇよ。俺のことはSNSで愚痴(ぐち)るなりすれば? バズるかもよ」

彼はどこか(うつ)ろな顔をして、飲み終えたジンジャーエールの空き缶をゴミ箱に投げた。

「女だって、裏表あるやつばっかのくせに」

そう言う梅永君の顔は何か意味ありげだった。

女関係で()めたのかな……。

「別に言わないよ? テレビの前でキャラを作るのは当たり前だと思うし。裏がどうでも、梅永君の演技は好きだから!」

スクールバッグに付けた、スターレッドのマスコットを撫でた。

勝手な想像だけど、ブレイクしたデビュー作のスターレッドが爽やかキャラだからそれが定着して、今さら口の悪いキャラだって言い出せないのかも。

「あっそ……」

梅永君、なんか顔ちょっと赤くない?
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