腹黒王子に逆らうな!
R side
*亜瑠side story
「もし良かったらこの後……デートしない?」
仕事で初対面、会って数時間。
そんな相手によく"デート"だのなんだの言えるな、この女。
「んー……ごめん! まだ覚えてない台本あるから。このオーディションだけは絶対通したくて。ごめんね」
当たり障りのないよう、適当に理由をつけて笑顔で断る。
正直、この女とデートするより後は詩島茎尾の最新刊買ってまっすぐ帰宅したい。
「そっかぁ真面目だね……インタビュー頑張ってね」
彼女は残念そうな顔をすると、パンプスをカッカと鳴らしながら小走りで去って行った。
「チッ、何がデートだよ。仕事で初めて会ったばっかのくせに