腹黒王子に逆らうな!

「別に言わないよ? テレビの前でキャラを作るのは当たり前だと思うし。裏がどうでも、梅永君の演技は好きだから!」

(ひとみ)に星でも飼ってるのかってくらいキラキラした目で、スクールバッグに付いてるストラップを()でた。

スターレンジャーのスターレッド、俺が初めて演じたキャラクター。

そうか、こいつファンだったのか。

「あっそ……」

キラキラした視線がまぶしくて、素直に礼も言えずに顔を(そむ)けた。

なんだこれ、今まで好きだの何だの言われ慣れてるはずなのに、今さらなんでこんなに緊張してるんだ。


本性に失望されるかと思ったら、それでも好きだと言ってくれたから、ただそれだけだろ。

他のやつとは違う、そう、ただそれだけなんだ。
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