腹黒王子に逆らうな!
私のクラスには、今をときめくイケメン俳優、梅永亜瑠(うめながある)君がいる。

1年の時に同じ委員会で、何度か話したけど、もう遠い存在なんだなぁ。

3年になってクラス同じになって、(となり)の席になったけど、梅永君は登校してないから話してない。

近いようで手の届かない、遠い存在だ。




好青年で(さわ)やかな笑顔は、子供向け特撮番組のスターレンジャーのレッドに抜擢(ばってき)されるほど。

全国のお母様のハートを鷲掴(わしづか)みにし、かく言う私もスターレンジャーのファンとして結構(けっこう)好きだったりする。


「梅永君とデートしたら……? うーん、想像つかん」

その服可愛いね、似合ってるよとか言ってくれるのかな?

(うれ)しいっちゃ嬉しいけど、みんなに言ってそう。

「うーん、うーん……まぁぼちぼち考えるか……」


うつらうつら(おそ)い来る睡魔(すいま)には勝てず、私は意識を手放した。



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