腹黒王子に逆らうな!
「そういや、俺の(つくえ)にプリント入れてたのって……」

「あ、私だよ。いつか梅永君来るんじゃないかなって思って!」

あの時は梅永君のファンというよりかは"スターレッドのファン"としてスターレンジャーについて語りたいなって思ってただけだけど。

今は、腹黒だけど女の子が苦手で、不器用な梅永君を見てるのが楽しい。

「ありが、と……」

梅永君は顔を逸らしたけど、その真っ赤になったほっぺは見逃さなかった。

「顔真っ赤じゃん! どんだけお礼言い慣れてないわけ?」

「……るせぇ、お前が、そんな笑顔で……」

「今なんて言った? 声小さくて聞こえなかった」

「……別に」

つぶやくようになんか言ってたけど、風も強いし聞き取れなかった。


──ブーッブーッ。

バイブ音が響いて、梅永君はブレザーのポケットからスマホを取り出すと電話に応答した。

「はい、今行きます」

多分マネージャーさんが迎えが来てるんだろう。

記者達も退いたとはいえ、女子生徒に捕まると厄介だし。

梅永君は電話を切ると周囲を確認して、窓から外へ出ていった。

「……じゃ、これで」

「うん。またね」

これからは梅永君と学校で会えるんだ!

そう思うと、退屈な学校も楽しくなってくるな〜。
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