愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
しばらく泣いていた茉莉ちゃんも次第に落ち着いてきた。

「ごめんね。こんなことに付き合わせて。でも由実ちゃんがいてくれたからなんとか息ができてる気がする。」

「はぁ、良かった。私ってよくおせっかいが過ぎるっていわれるからまた余計なことをしてるんじゃないかって心配してたの。」

「それ言った人は贅沢な人だね。」

「茉莉ちゃんはもっと人に甘えていいと思う。耐えられないこととかあったらすぐに電話していいんだから。飛んでいく。」

顔を上げた茉莉ちゃんの表情は少し泣いてスッキリしたように見えた。
そもそもはめられたって言ってたし…。もしかすると1回きりだけど彼氏くんも浮気をしちゃってるのかもしれない、それを許す許さないは茉莉ちゃんが決めることだ。
でも、彼氏くんの今までの気持ちすべてを否定してしまうのは違うような気がする。
私も前の彼氏に振られたとき、付き合っていた期間すべてを否定されたように感じたけどきっとそうじゃない。まっすぐに私のことを好きでいてくれた時もあったと思うから。
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