愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
その日はバイトもなく、とりあえず部屋の掃除をした。
微かに残る焚き火の匂いも消えるようにって窓をあけて換気もしたし、シーツもコインランドリーに持って行って洗った。

昼間に茉莉ちゃんからお礼のメールが届いた。
あれから彼氏くんと仲良くできたみたいで安心した。

「はぁ、バカだな。やめておけば良かったのに…家に上げた時点でアウトだ。」

部屋で一人呟く…。
私はとことん落ち込んでしまうのが嫌で友達に連絡しまくってとにかく一人でいないようにした。
夜はお酒を飲んで、寝に帰るだけにした。
でも一人布団に入って目を瞑るとあの日の昌くんが浮かんできて涙が流れた。
あの日以来、何日か経ったけど連絡はなかった。一度だけコンビニで見かけた。タイミング悪く、宅配便を3個も持ってきたお客さんの対応をしてて時間がかかっている間に他の人のレジで会計し、帰って行った。
その後ろ姿を見送るとひどく胸がしんどかった。
あぁ、もう重傷だ…
私は店長に相談をして、近々バイトを辞めることにした。
どうせ春から社会人だし辞めるつもりでいたのでそれが少し早まっただけだ。

あの日から1週間が過ぎたころもう会うことないなって思っていた夜、突然家に来た。
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