愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
「由実は?ここにいるってことは恋人はいないんだろ?」

「うん、私の片思い。私ばっかり好きで本当に嫌になっちゃう。優のときもそうだったでしょ?」

「え~、それは心外だな。そんな事なかったよ。最後は本当に申し訳なかったけど、誠実に向き合ってたつもりだったけど?」

「うん、迷走に迷走を重ねて最終的に優の性格を考えるとそんな不誠実なことしないってたどり着いた。それに誠実だからこそ自分の気持ちに気づいたからきちんと振ってくれたんでしょ?」

「ハハハッ、さすが由実だな。もっと罵っても良かったのに。そういう真面目で強いところが好きだったんだ。」

「強くないよ。すぐにボロボロになる…」

優と別れたあとの私のことは知らないから仕方がない…でも弱いから1年も引きずったんだよ…

「ボロボロになってもちゃんと自分で考えて起き上がれるだろ?すごいことだよ。」

「そっかぁ、でも今私ダメなことばっかりしてるの。嫌になっちゃう。やめたいのに、心がやめてくれなくて…」

お酒も入ってて、私の気持ちも限界だったからつい優に弱音をはいてしまった…
しかも気づけば涙が流れてた。

「由実はいい女だよ。俺が保証する。いつか同じように気持ちを返してくれる人に出会えるよ。」

「ありがとう。頑張る。」

私は目の前のビールを飲み干した。
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