愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
2人掛けのイスに座るとため息をついた昌くんは私の頭の上に頭をもたれてきた。
ふわっと焚き火の匂いがする。
その匂いに昌くんを感じていたら彼の片手が私の太ももの上に置かれ、付け根から膝の間を何度も行ったり来たりスリスリしだした。

「ねぇ、この手。くすぐったいよ。」

「お前の太もも気持ちよくて好き。」

「うっ…それって遠まわしに脂肪が付いてるって言ってるんでしょ?」

私はぐっと昌くんの頭を押し返した。

「ハハハッ、まぁいいんじゃね?骨と皮よりこっちが好き。」

「痩せたい…」

「無理だろ。筋肉ねーし。」

「そういうところ!だから前の彼女にも振られるのよ。」

「振られてねーよ。お前が付き合ってる意味がないっつってたからあの日帰りにソッコーで別れたんだろ。」

なっ!そんなに軽すぎる付き合いだったの?
確かに何してても気にならないって言ってたもんな。

「なんで私に言われたからって別れちゃうことになるのよ。」

「だから言ったろ、アイス一緒に食ったあたりからお前のことが好きだったんだよ。」

直球でそんなこと言われて私の心臓は壊れてしまうんじゃないだろうか。

「でもあの日の私ってダメダメだった気がする。」

「ハハッ、そこがいいんだろ。気取ってない素のお前が可愛いよ。つい怒らせたくなる。」
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