愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
「フレンチトーストでいいよ。チョコソースかけて食うから。それは由実が食えよ。お前の方がそういうの好きだろ?」

たしかに、こんな高級チョコめったに食べないけどいらないって言われるのはムカつく。

「俺はお前が作ったものの方がいい。」

そういわれるとそれはそれでうれしくなっちゃうじゃない。

「じゃあ作るからお風呂入ってきていいよ。泊まるんでしょ?」

「一緒に入んねーの?」

「うちのお風呂せまいから二人は無理でしょ?体洗ったりできないじゃない。」

「俺が洗ってやるよ。隅々まで。」

ニィッて笑ってそういう。
この顔好きだなぁ。そしてかっこいい。

「バカ言ってないで一人で入ってね。一緒には入りません。」

「可愛くねぇ。」

そう言って洗面所に行く。

「あっ、そういえば、下着の替え買ってたんだった。いっつも汚いの履いてたでしょ?あと、サークルで作ったTシャツ。男女兼用のXLだから入るかなって思って。」

「まるで母親だな。」

「せめて奥さんって言ってよ。」

いつも口から出て後悔する。まるで奥さん気取りかよって突っ込まれる。

「ハハッ、悪くねぇな。助かるよ。奥さん。」

ちょっと意地悪に笑ってお風呂に入っていった。
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