もう二度ときみに恋はしない

*

「で?」

「なに、でって」

「なんか用があったのかと思ったから」


 そうじゃなきゃわざわざ会わないじゃん。

 私たちはそういう距離感の「ともだち」なんでしょ。


「高校入ってから好きな人がいたんだけど」

「高橋さんとはいつ別れたの?」

「卒業するちょっと前くらい。俺がふられたんだけど」


 ふぅん、と相槌を打てば聞いてきたくせにと青井は不満そうにした。


「で、そう、高校で、陸上部のマネージャーの先輩が好きだった」

「告った?」

「まさか」


 なんの「まさか」なんだろう。

 私の知ってる青井はおとなしいわりに自分に自信があるほうなのに。


*
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