もう二度ときみに恋はしない

*

「りっちゃんさ、大学時代のこと気にしてる?」

「え、なに、話したことないよね」

「泥酔してた日に全部話してくれたよ?」

「何それ聞いてない」

「言ってませーん」


 もうだめだと思った。別れるしかない。

 そもそも、当時彼氏がいたとか黒瀬とのこととか

 あまりにも幼稚だし倫理観に欠ける気がした。

 どうして分かれてくれなかったんだろうと彼を見る。


「まあ過去は過去で、どうでもいいんだけど」

「は、どうでもいい? ほんとに?」

「だって仕方ないじゃん、交通事故みたいなもんでしょ」


 きょとんとした顔で彼はそういった。


*
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