もう二度ときみに恋はしない
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「来年も俺が一番に会って一番にお祝いするからね」
「……ありがと」
「え、泣くほど? 俺のことそんなに好きなの?」
ちがうよ、ちがくないけど、そこじゃなくて。
未来のはなしとか、そういうのも全部全部
なんだか救われたような気がしただけで。
『誕生日おめでとう』
出会って17回目の誕生日。
私たちはもうあの夏の日も、あの夜にも帰らない。
好きだったかもしれないと疑うこともない。
『誕生日おめでとう。俺来年彼女と籍入れるかも』
「ねえ、りっちゃん。結婚しよう?」
「……はい、します」
「へへ、指輪買いにいかなきゃねー」
家に遊びに行くことなんかない。
かき氷機を買いに行くことも、夏の公園に行くことも
一人暮らしの部屋にもいかないし、気づかなかったと驚くこともない。
私は、私たちは、もう二度と、同じ世界で恋をすることはないだろう。
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