山神あやかし保育園〜天狗様の溺愛からは逃げられません!〜
サケ子の秘密
結局、事務処理にのぞみは夕食までの時間を全て費やした。申請書の中でわからないところがあったので役所の方へ電話をしたら、『山神保育園』に新しくのぞみが入ったことを知った担当者が、飛び上がって喜んで、今までの園の書類上の不備を山ほどよこしてきたからだ。
どうやら本当に紅もサケ子も書類関係は苦手らしい。二人ともあやかしなのだから、それは仕方がないと思うと同時に、のぞみのやる気に火がついた。紅に"ぞぞぞ"を食べてもらわないと子どもたちのところにも行けないなんて情けないと思ったけれど、そんな自分にもやれることがあるのが嬉しかった。
しばらくは夢中で取り組んだが、いかんせん量が多すぎて、夕食だとサケ子が声をかけにくるだんになっても、まだ半分以上が残っていた。
「あら、そこまでしてくれているんだね。助かるよ、役所がうるさかったんだ」
机の上をのぞきこんでサケ子が嬉しそうに言う。人間ののぞみにだってややこしく感じる手続きに、サケ子はうんざりとしていたのだろう。
どうやら本当に紅もサケ子も書類関係は苦手らしい。二人ともあやかしなのだから、それは仕方がないと思うと同時に、のぞみのやる気に火がついた。紅に"ぞぞぞ"を食べてもらわないと子どもたちのところにも行けないなんて情けないと思ったけれど、そんな自分にもやれることがあるのが嬉しかった。
しばらくは夢中で取り組んだが、いかんせん量が多すぎて、夕食だとサケ子が声をかけにくるだんになっても、まだ半分以上が残っていた。
「あら、そこまでしてくれているんだね。助かるよ、役所がうるさかったんだ」
机の上をのぞきこんでサケ子が嬉しそうに言う。人間ののぞみにだってややこしく感じる手続きに、サケ子はうんざりとしていたのだろう。