かりそめお見合い事情~身代わりのはずが、艶夜に心も体も奪われました~
「すごい……いい夢だぁ……智遥さんがいる……」


……あー、かわいすぎる……。

事前に本人から聞いていたことだけれど、意外にも彼女は寝起きがあまり良くないらしい。
まあ、今朝に限ってはゆうべ俺が無理をさせすぎたけいもあると思うが……こんな隙だらけのことはの姿を実際に目の当たりにしたのは、当然ながら初めてで。

自分でもわかっているくらい彼女にベタ惚れの俺は、ことはのどんな言動もいとおしく思えてしまう。


「夢だと思う? ためしに触ってみようか」


我ながら悪い顔をしているんだろうなあと思いつつ、口角を上げてイタズラを仕掛ける。

俺もことはも、互いに下着しか身につけていない状態だ。タオルケットの下で、いとも簡単に彼女のやわらかな太ももへと手を這わせた。

じれったいその動きに反応し、ことはがピクピクと身体を震わせる。


「んん……だめですよぅ……お義父さまたちに認めてもらうまで、えっちはしないって……」


潤んだふたつの目で見つめられながらつぶやかれたセリフに、一旦動きを止めた。

……いいな、その『えっち』って言い方。うん、いい。

まんまと劣情を煽られた俺は、未だ寝ぼけていることはにお構いなしでその唇を塞ぐ。

さわやかな朝に似つかわしくない淫靡な水音を立てながら舌を絡ませて、容赦なく口内を犯した。

さすがに途中で、彼女も覚醒したらしい。抗議のように胸や肩を軽く叩かれはしたが、それすら自らの手に握り込んで封じ込めてしまう。
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