お行儀よく沈んでよ
「主催者だれ?」
「相島だったと思うけど、」
「え、田中くんでしょ?」
「ちがうってば。沢村くんだよ」
「意見まとめてくれよ」
口々に言い出した女子たちを落ち着かせて、とりあえず代替案を提案する。
「じゃあ間を取ってこれは保科のせいにしよう!」
「命知らずか?」
「あの、殺されても知らないからね」
「アンタはいいやつだったよ…」
「なんでフラグ立てる前に私を殺すんですか」
回収係に失礼だぞ! と人差し指を向けると、哀れみの目を向けられた。
私はそんなに可哀想な人間に見えるのでしょうか、沙優ちゃん様。私は嫌だからね、と訴えてくるハニーたち。
しかたないですね、私が命張って茶化し……、応援でもしてこようと思う。
だから刑事役は私に譲ってくれよな!
「保科ってそんなに怖がられてるの?」
女子たちは怯えていたし、挙句、死まで言われたらそりゃあ。…ああ今日って厄日? 自分で首突っ込んだわけだけど。
ぎゃあぎゃあ騒いで喧しい。セミか、セミになりたいのか。暑いのによく飽きずに戯れていられるね、10代の特権だ。
いやこれ私老人みたい。
「保科、」