微温的ストレイシープ
そして、当麻さんたちのところに帰ることになった。
あの場所もぜったいに安全とは言い切れないけど、あてもあく外をうろつくよりはマシだろうという廉士さんの考え。
ここからじゃすこし歩くことになるけど、最初のような気まずさはもうなくなっていた。
と、思いたい。
「……」
すくなくとも。
しれっと横に並んでみてもなにも言われなくなった。
わたしがあまりにしつこくて、指摘するのをあきらめただけかもしれないけど。
そのとき急に襲ってきた“あれ”。
我慢することができなかった。
「っんぐ……んぅ」
「は?なにその顔」
「え?あ、う、えっと、あくびが出そうになって……」
まさか見られてたとは思わなかった。
あわてて口を隠したけど時すでに遅し。