微温的ストレイシープ



そして、当麻さんたちのところに帰ることになった。


あの場所もぜったいに安全とは言い切れないけど、あてもあく外をうろつくよりはマシだろうという廉士さんの考え。



ここからじゃすこし歩くことになるけど、最初のような気まずさはもうなくなっていた。


と、思いたい。



「……」


すくなくとも。

しれっと横に並んでみてもなにも言われなくなった。


わたしがあまりにしつこくて、指摘するのをあきらめただけかもしれないけど。




そのとき急に襲ってきた“あれ”。

我慢することができなかった。




「っんぐ……んぅ」

「は?なにその顔」


「え?あ、う、えっと、あくびが出そうになって……」



まさか見られてたとは思わなかった。

あわてて口を隠したけど時すでに遅し。


< 112 / 211 >

この作品をシェア

pagetop