微温的ストレイシープ
それにしても。
「総長ってなにするんですか?」
「なにって」
「えと、総大将ってことですよね?討ち取られたら負け……とか」
たとえば戦国時代で、総大将の首を獲られたら残った兵たちは逃げるしかない。
そこで戦は終了。
つまり廉士さんかシュトリの総長さんが倒されるまで、戦いは終わらないってことなのかな。
なんて、身振り手振り伝えてみる。
「まあ、大体はあってる。けど」
「けど?」
「おまえ戦国好きすぎ。そこから来たんじゃねーの」
「あはは、まさかぁ」
いくらなんでもそれはない。
ぶっ飛んだ考えにおもわず笑みがこぼれてしまった。
「それにしてもよく総長になろうと思いましたね。なにか目標でも?」
何気なく聞いたあとで、しまったと後悔する。
これも踏み込みすぎた質問だった。
「なりゆきだよ」
「ですよね、ごめんなさい。……え?」
質問をはねのけられたと思っていたのに、すこし考えて、それが答えだったことに気づく。