微温的ストレイシープ
「……そっか。ぜんぶ、わたしのせいだったんだ」
タイミングよく?追い打ちをかけるように?
よみがえってきた記憶。
もうどうでもよかった。
わたしが監禁されていたこととか、お兄ちゃんたちに犯されていたこととか。
もはや頭の痛みもなくそんな記憶がよみがえってきても、わたしはなんとも思わなかった。
そうして、もうひとつ。
ぽとんと素っ気なく落ちてきた記憶があった。
……わかってる。
自分で気づいたよ。
わかってるから、もういいよ。
どうせならもっと早くに教えてほしかった。
いちばん最初に知っていれば、廉士さんを巻き込むこともなかったのに。
こんなことにならなかったかもしれないのに。
「……ごめんなさい」
わたし、もう廉士さんとは一緒にいられない。