微温的ストレイシープ
『灯里たちがお迎えにいってあげようよ、ね。お兄ちゃん』
もう小学校にいきたいなんて言わないから。
ずっと、おうちのなかでいいから。
おなじ本もなんどだって読むよ。
お兄ちゃんたちといやがらずに“あそぶ”ようにするから。
『ねえ……だから、そんな顔しないでよぉっ……ぐすっ』
こわいよ。
そのこわい目で、灯里を見ないで。
前のやさしいお兄ちゃんにもどってよ。
お父さんたちももどってきてよ。
『ごめんなさい、ごめんなさい。いいこにするから、元にもどって……』
『こわがらないで、灯里。お兄ちゃんたちが一緒だからね、ずーーーーっと、いっしょ』
そうだ
羊を数えてあげようね
奈緒くん、灯里にホットミルクを作ってあげて