微温的ストレイシープ
○
身体がありえないほどに灯里を欲していた。
俺たち兄弟にとって……いや、
この世界の狂った人間たちにとって、灯里はガソリンのような存在でもあり、麻薬のような存在でもある。
それがなくては動かない、それを摂取しなくては生きられなくなってしまった。
この世界には灯里が必要だというのに。
「兄貴!すこし落ち着け────」
「落ち着く?この状態で落ち着けるわけないでしょ、バカなんじゃないの?」
おかしいのはお前のほうだよ。
なんでそんなに落ち着いていられるんだ?
なんで、あきらめたような顔をしているんだ。
灯里は絶対この世界のどこかにいる。
見つけられないわけがない。
「おい、兄貴!」
後ろからそんな声が聞こえてきたが、かまわず走り出す。
はやく、はやく灯里を。
どこにいる?
どこに隠れている?
出ておいで灯里。
どこにいたって無駄だよ。
何度逃げ出したって意味ないよ。
身体がありえないほどに灯里を欲していた。
俺たち兄弟にとって……いや、
この世界の狂った人間たちにとって、灯里はガソリンのような存在でもあり、麻薬のような存在でもある。
それがなくては動かない、それを摂取しなくては生きられなくなってしまった。
この世界には灯里が必要だというのに。
「兄貴!すこし落ち着け────」
「落ち着く?この状態で落ち着けるわけないでしょ、バカなんじゃないの?」
おかしいのはお前のほうだよ。
なんでそんなに落ち着いていられるんだ?
なんで、あきらめたような顔をしているんだ。
灯里は絶対この世界のどこかにいる。
見つけられないわけがない。
「おい、兄貴!」
後ろからそんな声が聞こえてきたが、かまわず走り出す。
はやく、はやく灯里を。
どこにいる?
どこに隠れている?
出ておいで灯里。
どこにいたって無駄だよ。
何度逃げ出したって意味ないよ。