微温的ストレイシープ


想像して、さあっと青くなったわたしを見て廉士さんは念を押す。




「わかったな?」


すでに声を出すことが怖くなったわたしはこくこくと頷いた。



離れていった切れ長の瞳にすら、ほっとしてしまう。



……猛獣エリア。






てっきりビルの中に入っていくと思ったのに。


彼が上がっていったのは……

いや、下りていったのは




そのビルと建物のすき間にある、地下へとつづく階段だった。




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