微温的ストレイシープ
ストレイシープは眠らない
𝘴𝘩𝘦𝘦𝘱 𝘚𝘭𝘦𝘦𝘱 𝘴𝘩𝘦𝘦𝘱
「っ、はあ、ぅ……おえ……」
吐きそうになって、さすがに足を止めてしまう。
この短時間で体力を使いすぎた。
もう走れなくて吐く一歩手前までいったわたしを見かねて、やっと廉士さんが走るのを止めた。
「大丈夫か」
「だいじょう……おえっ……うえ、」
これ以上くちをひらけば何かがでそうで、女として終わりそうで必死に堪える。
それまで少しも息を乱していなかった廉士さんも、すこしだけ肩で息をしていた。
戦いの場から離脱して、それで走り続けたわたしたち。
ここはどこなんだろうか。
今いる場所も気になるけれど、わたしは自然と廉士さんから距離を取る。
もちろん、すぐに気づかれて腕をつかまれてしまったけど。
「いい加減にしろよお前。そろそろ本気で怒るぞ」
「だ、だって!だって……廉士さんが」