微温的ストレイシープ
「……わたしは、廉士さんと一緒にいたい。ずっと、この命が消えるまで、生きていたい」
「ああ」
「廉士さん。わたしと一緒に生きてくれますか?」
「たりめーだろ。最初からずっとそのつもりだよ」
自分のなかの迷いを捨てきれたわけではない。
もしかしたらこの先、この決断を後悔するときが来るかもしれない。
間違っている選択だったと、嘆き悲しむかもしれない。
きっと果てしない旅になる。
終焉にむかって進む道のりになるだろう。
だけど、それでもいいと思った。
「一緒に行くぞ、灯里」
「……っ、ありがとう」
この人と、いまを生きてさえいれば。
わたしはそれでいいと、思えるようになった。