微温的ストレイシープ
あとがき
榛名灯里はどうやって来たのか。
なぜ、そんな力を持っているのか。
この物語において、その具体的な理由は追及していませんし、とくに重要視もしていないです。
正直、謎の部分も多いまま物語は終わりを迎えました。
この終わらせ方が正しいのかそうではないのか。わたしにはわからないです。
でもこれで良かったんだと思います。すべてを明らかにしないまま終わってこその『微温的ストレイシープ』なんだろうな、って。そう都合よく考えることにします。
だってこのお話はあくまでも二人の追走劇。
焦点を当てているのは、その部分なんですから。
結末については最初からこうするつもりでした。というか、これ以外しようがないと思っています。もしかしたら賛否両論あるかもしれませんが、どのような形であれ、すこしでも皆さまの心に残る物語となっていれば幸いです。
また、この物語に続編も番外編もありません。わたしの他作品に灯里と廉士が出てくることもありません。ふたりの物語はこれで完結です。
ですが、マルバスのあの人についてはまだ書き足りないので、彼にはまたいつかちがう作品に主役として登場してもらいます。そのときはまた、こうして足を運んでいただければと思います。
それでは最後まで見届けてくださった皆さま。
長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。これにて『微温的ストレイシープ』は閉幕となります。
またどこかでお会いしましょう。
2020.12.01 花袋 一