微温的ストレイシープ
どうやらソファの上で寝ていたらしく、ものすごく迷惑そうに上目遣いで睨まれる。
というか、なんだかすこしだけ苦しそうに表情を歪めていた。
その原因はもしかしたらわたしにあるのかもしれない。
大きくはだけたシャツの奥から、ちらりと見えた白いもの。
それは包帯だった。
「ごめんなさい!あの、大丈夫ですか……?」
「いや、お前だれ。つーかあいつらどこ?」
かぶせるように、男の人がそう聞いてきた。
向けられる目つきは敵か味方かを判断するかのようだった。
「わ、わたしは榛名です。廉士さんたちは向こうの部屋にいます」
自己紹介をしても興味なさげだったけど、
廉士さんの名前を出した瞬間。
男の人はぴくりと眉を動かした。
「あんた廉士の女?あいつ、こんなんが趣味だったっけ」
「女じゃないです。あ、性別は女ですけど……」