微温的ストレイシープ
どうしよう。廉士さんを呼んできたほうがいい?
とりあえず、向こうの部屋にいる誰かを呼んでこないと!
「ちょっと待っててください、すぐに人を……」
ソファに手をついて、身を起こそうとしたときだった。
「どこ行こうとしてんだよ」
背中にまわされた手がぎゅっと強まった。
それはまぎれもなく、彼の手で。
虎牙さんのお腹に、わたしの胸が当たる。
「こ、虎牙さんっ!傷が……!」
わたしに圧迫され傷口がさらに開いてしまいそうで、ひやっとする。