微温的ストレイシープ
キィィン、
金属を打ち鳴らすような甲高い音。
それは頭の深部で鳴ったかと思えば、いままでに感じたことのない痛みに襲われる。
「っあ……、ぅ……っ!」
激しい痛みに耐えかねて地面に膝をついた。
頭をがんがんと殴られているような、削られているような。
急に襲いかかる頭痛を、どうすることもできないわたしはうずくまって頭を押さえる。
な、なにこれ……!
「悪いけど俺、そんな優しくねーから」
そんな声も遠くで聞こえるほど、他のことは考えられなくて。
いや、実際に彼はわたしから遠ざかっていたのかもしれない。
遠ざかっていく足音。
……そして、近づいてくる足音。
誰かきた。
重くひびく頭をなんとか持ちあげ、その人物を確認する。