スミレ色の手紙〜未来につながる愛〜

ローズの瞳に涙が浮かぶ。恐れていては何もできない、それをステファンが教えてくれた。ローズの返事は一つだ。

「はい、喜んで」

二人は戦争中とは思えないほど華やかな結婚式を挙げ、小さめの屋敷で暮らし始めた。その生活は、穏やかで温かくローズが望んだ生活の始まりだ。

「ステファン、今日の夕食よ」

「これは北の国の料理だね」

ローズの作ったご飯にステファンが微笑む。こっそり世界の文学や料理を二人は楽しんでいた。世界を知れば知るほど、戦争が馬鹿らしくなる。

「ローズ」

本を読み終えたローズは、ふわりとステファンに抱き上げられた。そしてベッドの上に降ろされる。

「んんっ」

熱いキスを何度も交わし、ローズの着ているドレスが脱がされる。二人の手が自然と絡まった。

「愛している」

何度も交わしては胸が温かくなるその言葉を互いに繰り返し、何度目かわからない二人で過ごす夜が過ぎていく。

こんな日々がずっと続くと、ローズは心から信じていた。