スミレ色の手紙〜未来につながる愛〜

ステファンの帰りを待っている間に、ローズのお腹の中で赤ちゃんはどんどん大きくなっていく。

「フフッ。もう七ヶ月ね。ステファンが帰ってきたら産まれてしまっているかもしれないわね」

ローズはそっとお腹を撫で、編み物をする手を止める。生まれてくる子どもは女の子らしい。名前をステファンと早く決めたい、そう思いながらローズはお腹を撫で続ける。その時、「電報で〜す！」と声が聞こえてきた。

「ステファンから手紙かしら？」

配達人から一通の手紙を受け取り、ドキドキしながらローズは手紙を開ける。

「えっ……」

そこに書かれている内容が信じられない。ローズはその場に崩れ落ちる。涙が止めどなくあふれた。

「どうして？どうして？どうして？どうして！？」

誰にぶつけることのできない疑問をローズは泣き叫びながら言う。冷たい悲しみがローズの胸を襲う。突然のさよならはあまりにも苦すぎた。

「ステファン・スターチス、死亡」