笑顔のキミを


凛斗くんの姿をみて少し安心した。

首からカメラをぶら下げていたから。

写真を撮るのをやめていなくてよかった。


岸田くんと凛斗くんが話しているのがみえる。

そのとき岸田くんがわたしのほうを指さした。

わたしは急いでファンのほうを向いた。


そして次にそっちをみたときには、もう凛斗くんは背を向けていて、岸田くんはこっちに歩いてきていた。



「あいつ、ナナのファンじゃないからいいですなんていっていっちゃいましたよ。ナナさん、ほんとにあいつ知り合いですか?」

少しイライラしている。

申し訳ないな。

凛斗くんも岸田くんもなんも悪くないのに。

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