笑顔のキミを


「ですね」

でも、終わった。

やっぱり迷惑だった。

こんな全然知らないやつからそんな風にいわれても、なにも嬉しくなんてないか。

ああ、馬鹿だなわたしって。



「あ、ごめんね。急に。呼び止めちゃって」

「いえ。全然大丈夫です」

「じゃあ、わたしそろそろいくね。またね」

「はい、また」


でも、ただ一言。

凛斗くんが「また」といってくれたことが嬉しくて。

心の中でガッツポーズをした。


わたしはきっと、凛斗くんのことが好きだ。

それは多分あの表彰式で凛斗くんをみたときから、あの写真をみたときから。

きっとわたしはずっと凛斗くんに恋してる。

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