笑顔のキミを


パシャ。


「うまく撮れたかも」

「みせて」

凛斗が信じてくれたからわたしは凛斗にみせたくて、この写真を撮った。




「綺麗だ」


この時間が止まってしまえばいい。

そんなことを初めて思った。


今度はわたしのほうが泣きそうになって。

それを必死でごまかすために笑った。


どうせ彼の目に残るなら泣いている顔よりも笑っている顔がいいと、そんなことだけを思って。


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