笑顔のキミを
「凛斗は、ここにひとりで寂しくなかったの?」
「・・・うん。寂しくなんかないよ」
嘘。
思いっきり顔に書いてある。
咲良がいなくなった悲しみがまだ消えてない。
ずっと凛斗の心には咲良がいる。
「ねえ凛斗、わたしを撮ってみない?」
「・・・無理だよ」
それでもいいよ。
凛斗の一番が咲良でもいい。
この先ずっと変わらなくたっていい。
「わたしは、いなくなったりしないよ」
「凛斗の前で、ずっと笑っていられるよ」
最低だね。こんなこというなんて。
でもとめられないの。気持ちが。