笑顔のキミを
「ナナに、なにがわかるの?」
「わたしはただ・・・凛斗がまた人を撮れるようになれたらいいなって、その手伝いがしたかった」
なにかすこしでも手助けをしたかった。
凛斗がわたしを救ってくれたように、わたしも凛斗のことを。
でもそんなのただの言い訳だね。
わたしはただ凛斗に一度でいいから撮ってほしいと思ってた。
自分のために。
「それが、この部活に入った目的?」
「それもあるけど・・それ以外にも・・・」
「だったら、やめろよ。俺はもう人なんて撮れないし、撮りたくもない!」
「ごめん、・・・っ、凛斗、ごめんね」
情けなくて、涙がでた。