笑顔のキミを


凛斗に会いたい。

次会えたらすべてを打ち明けよう。

隠してても意味ない。

凛斗の傷をまたえぐることになるかもしれない。

つらい思い出を蒸し返してしまうだけかもしれない。


でも、言おう。

そのうえでもう一度言うんだ。

人を撮ってみようって。



「凛斗ね、暇さえあれば写真撮ってるんだよ。クラスの子とか先生とか。学校にカメラ持ってくるの禁止なのに、不思議と先生もなにもいわなくなったの。きっと凛斗が撮った写真をみて、才能があるとでも思ったのかな」

そう笑って話していた咲良の言葉を思い出す。

凛斗は、人を撮ることが好きだったはずなんだ。

< 140 / 390 >

この作品をシェア

pagetop