笑顔のキミを
「うーん、なんでだろう。なんとなくあなたのことが気になってさ」
「・・・え?」
理由になっていない。
気になるってなんだ。
そんなことでこんな平凡な俺のことを追いかけてきたのか。
「カメラ」
「カメラ?」
やっぱりか。
俺が写真を撮らなかったことになにかいいにきたんだな。
もうカメラは俺の首にはぶらさがってはいないけれど。
「写真撮るの好きなの?」
でも彼女は意外な質問をしてきた。
なんだろう。
化粧ばっちりでかわいいけど、少し怖い人だと思っていた。
こんな田舎で撮影している、迷惑なやつだと。
自分は可愛いって自覚があって、写真を撮られることにも慣れていて、まわりでわいわい騒ぐファンがいて、きっと自分大好きです。って感じの人なんだろうなって。
でも、それは俺の勝手な勘違いだったみたいだ。
彼女からは高圧的な態度は一切みられない。
むしろ、逆。