笑顔のキミを


「あるんだよ。特にこの部活は全然お金なんて使ってないからな。余り放題だ」


余り放題って・・・

どこまでが冗談なのか藤森先生の顔からは読み取れない。


「合宿っていうことにしとけば、ほかの先生もなにもいわないだろう。もしなんか言われても俺が適当にいっとくから」

「どうしてそこまでしてくれるんですか?」


藤森先生はテニス部顧問。

こっちはおまけ。

テニス部は夏休みも練習があるだろうし、それこそ合宿もあるんだろうし。


「当たり前だろう。俺はここの顧問でもあるんだから」

おまけ。そう勝手に思ってたのは俺だけなのかもしれない。

藤森先生はいつだって気にかけてくれてたもんな。
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